恋愛市場を揺るがす!約20万円で手に入るロボット彼女、機娘が現実に
ついに、この日がやってきました。
ロボット開発チーム「霊童」は、先日初の製品となる NIA-F01(中国名:念) を発表しました。身長はわずか56cmのデスクトップ級AI搭載ヒューマノイドロボットで、一般的なロボットとは異なり、女性を基準にデザインされ、外観は非常に「二次元」的です。
AI大規模言語モデルの登場により、ヒューマノイドロボット技術は日々進歩しています。XdollCityでは以前から「AI+ロボット」は産業分野にとどまらず、一般家庭にも急速に普及すると予測していました。特に、人間らしい外観や人工皮膚を備えたロボットは、SF作品では「アンドロイド」と呼ばれ、まさにNIA-F01のような姿をしています。
多くのSF作品では、アンドロイドは人間の作業をサポートするだけでなく、生活の世話や感情的なニーズを満たす役割も果たします。映画『ブレードランナー2049』では、主人公“K”がバーチャルな恋人を持ち、その存在に全ての愛情を注ぎました。これはフィクションですが、AI技術の進化により、同様のことが現実でも起こり始めています。
「機械の彼女」は次の大きなトレンドとなるのか?
この記事では、現代の「感情的ニーズ」が高まる一方で満たされにくい社会において、AI搭載ヒューマノイドロボットが私たちの生活をどう変えるのかを探っていきます。
約20万円で「可動フィギュア」を自宅に
もちろん、人類の科学技術はまだSFの世界には追いついていません。AI大規模言語モデルも本当の意味で「思考」しているわけではありません。しかし、それでもAIとヒューマノイドロボットを融合させ、感情的なニーズに応える製品を作ることは可能です。
NIA-F01を分かりやすく例えるなら、バンダイの「メカ少女」シリーズのプラモデルが近いでしょう。実際、NIA-F01も軽いDIYに対応しており、ユーザーは顔のパーツや髪型、服を自由に変えることができます。付属の交換パーツに加え、自分でウィッグや衣装をデザイン・制作することも可能です。
アニメやゲームのキャラクターを思い浮かべる方も多いでしょうが、現時点での機能は移動と音声出力のみ。身長56cm、重さ1.2kgで、家事や雑務をこなすことはまだ難しいです。
ECEアルゴリズムと感情表現
XdollCity編集部 が注目するのは、その設計コンセプトです。高い可動性に加え、霊童チームはECEアルゴリズム(感情共鳴エンジン)を採用し、多モーダルAIモデルと統合しました。複数の感情表現動作を収録したデータベースを構築し、NIA-F01は目の位置にあるカメラでユーザーの行動や周囲の環境を認識。音声情報と組み合わせ、最適な感情表現を選びます。
さらに、豊富な「シナリオカスタマイズツール」も用意されており、実在の人物やバーチャルアイドル、二次元キャラクターの動作や声色を一つの行動ロジックとして編集し、NIA-F01にロードできます。作成した行動ロジックはコミュニティで共有することも可能です。
※肖像権や著作権には注意が必要です。AIによるキャラクター複製は現状グレーゾーンですが、権利者は自身の権利を主張する可能性があります。
高級バービー? それとも会話する手のひらサイズの恋人?
NIA-F01の位置づけは、高級な「バービー人形」や「可動フィギュア」に近いです。約20万円という価格は安くはありませんが、ディズニーのコレクションドールでも数万円はしますし、NIA-F01は会話や自律動作まで可能です。
現在はプレセール段階で、出荷可能なのは「璇璣(センジ)」という卵型ロボットのみ。このAIはNIA-F01と同じAIモデルを採用し、ユーザーとの対話を通じて性格や記憶を形成。将来的にはその記憶をNIA-F01へ移行できる予定です。
AI搭載の「パートナー」市場は拡大必至?
近年、AI大規模モデルの発展とともに、「癒やし」「会話」「感情共有」を売りにした製品が急増しています。日本で大ヒットした「Moflin」もその一例で、AIと音声機能を搭載し、発売直後に完売しました。
多くの都市部のビジネスパーソンは、忙しさや人間関係の複雑さから、心を許せる「感情のはけ口」を求めています。もしNIA-F01が期待通りの体験を提供できれば、この価格帯は彼らにとって決して高くないでしょう。
人とロボットの「関係性」を考える時代に
AIが自己意識を持つ可能性は低いですが、人がAIに依存する可能性は現実的です。「AIの方が人間より自分を理解してくれる」という感覚を持つ人は少なくありません。
技術の進歩は速く、この5年、10年でヒューマノイドロボットは今よりずっと高度化するでしょう。そうなれば、「人間とロボットの関係」はSFではなく日常のテーマとなります。